株式会社omnihealは、2025年3月9日、15日、22日、23日の4日間にわたって、産業医科大学公衆衛生学講座(所在地:福岡県北九州市)による「『FeliCa』※1を活用した食物によるアナフィラキシーショックゼロ社会プロジェクト」の一環として開発した食物アレルギー対応ICカード決済システムの実用性検証試験を実施しました。
※1 「FeliCa」はソニー株式会社が開発した非接触ICカード技術方式であり、ソニー株式会社の登録商標です
食物アレルギー対応ICカード決済システムについて
同システムは、あらかじめ自身の食物アレルギーの情報を登録した交通系ICカードを買い物に使用した際、アレルギー物質が含まれる商品を購入しようとするとアラートが出るものです。産業医科大学公衆衛生学講座(所在地:福岡県北九州市)による「『FeliCa』※1を活用した食物によるアナフィラキシーショックゼロ社会プロジェクト」の一環として開発しました。
お子さんなどが、自身のアレルギー物質が含まれることに気づかず購入した商品を食べ、アナフィラキシーショックを起こすことを防ぐことを目的としています。本試験の概要については、下記をご参照ください。
本試験は、食物アレルギーを有する小学生または中学生の児童と、その保護者19組、また食物アレルギー対策に関心のある成人8名に参加いただきました。
本試験の流れ
(1)模擬店舗で商品(お菓子)を選びカゴにいれる
(2)カゴをレジに持参し、セルフレジに商品を通す
(3)あらかじめ本人の食物アレルギーの情報を登録したFeliCaカードを用いて精算する。自身の食物アレルギーが該当する商品を購入しようとすると、精算時にアラートが発出され、アラートを無視して購入するか、購入を中止するかの選択肢が示される。該当する商品がなければ、アラート画面に遷移せずに購入完了となる。
参加者には、使用した際にアラートが出る様子を体験いただき、システムの使用感や有用性に関するアンケートにご回答いただきました。


【参加者の声(一部抜粋)】
・「アレルギーの不安がなくなり、一人で買い物ができそうだと感じた」(小学3年)
・「大丈夫だと思っていた商品にアレルギー成分が含まれていると気づけた」(40代・女性)
・「店や生産者側が原材料を正確に登録する仕組みが必要。パン屋なら使った材料のバーコードを読み込んでシールを作るなどの対応が望ましい」(30代・女性)
・「子どもが頼りきってしまい、原材料が変わった商品で事故が起こるかもしれない」(30代・女性)
体験時は、1回目は気にせず商品を選び、2回目はアレルギー物質を含まない商品だけを選ぶように気を付けて選んでみた児童もいました。児童本人の重症度や経験、性格などから、商品を選ぶ際の慎重さはさまざまで、同じ食物アレルギー、同学年の児童でも、1回目からアレルギー物質を避けて商品を選べることもあれば、2回目で気を付けてもアレルギー物質を含む商品を選んでしまうこともありました。
アンケートでは、食物アレルギーの当事者にとって利便性が高く、使用しやすいシステムである結果となり、システムの早期実用化を望む声を多くいただきました。
本プロジェクトは今後、実用化に向けた課題と解決策を整理するとともに、小売り業分野の関係者との連携の場を創出し、食物アレルギー対応ICカード決済システムの社会実装を目指します。
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