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ACP LAB. とは?

ACP LAB.は、アドバンス・ケア・プランニング(ACP;Advance Care Planning)の普及を目的に、「どうやったらACPって広まるんだろう?」と日々考えながらをしているコミュニティです。

元々は、ヘルスケアに関心のあるメンバーが集まったオンラインコミュニティ「SHIP」の活動の一環として発足しました。

発足のきっかけとなったのは、SHIPで行った「大人の自由研究」という企画でした。「大人の自由研究」とは、およそ年に1回行っているSHIP内の企画で、SHIPメンバーがそれぞれ興味のあるテーマに分かれてチームを作り、テーマに沿った活動を行います。

(「大人の自由研究」については こちら

その企画で「行動変容・ナッジ」というテーマに関心のあるメンバーが集まり、「ACPの認知度を向上させるための行動変容・ナッジを考える」というのを活動内容の方針としたのが始まりです。

活動方針をもとに話し合いを行った結果、ボードゲームを活用してACPへの関心を促すことを目標とすることになりました。ボードゲームの制作には、SHIPメンバーの医師や看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、デザイナーなどが参加しました。

ACP LAB. のこれまでの活動

ACP LAB. では、ACPを普及させるためのアクションとして、「ACPについて考える機会となるようなボードゲーム:エンディングゲーム」の制作を行いました。

制作を始めたボードゲーム。コンセプトとしては「他者の人生を追体験する」というのが軸となっています。これは「自分自身の死に目を向けるという体験だと重くなりすぎてしまう」「恋愛リアリティショーや他人の体験談のように、他人の話だと思ったらより本心に思っていることも言いやすくなるんじゃないか」といったアイデアが元に考案されました。

そうして制作が進んでいったボードゲームは、2022年に大阪府豊中市が主催した「Urban Innovation TOYONAKA」の1事業としてプロジェクトの支援を受けることとなりました。

そのUrban Innovation TOYONAKAを通して、豊中市健康医療部健康政策課・都市経営部創造改革課の皆さんや大阪大学でACPの研究をされている方、ACPに精通されている司法書士の方の協力を得ることになりました。いくつかの実証実験を経て、ボードゲームは形を成していきました。

Urban Innovation TOYONAKAの支援も受け制作が進んだエンディングゲーム。内容はさらにブラッシュアップされ、ついに製品版の制作にも取り掛かることになりました。製品版は、一般的に売られているボードゲームのように、箱や駒も高いクオリティを目指して制作。2024年2月に完成しました。

ACP普及への課題感

ACPは人生の終盤を考える上でとても大切なプロセスだと思っています。とはいえ、まだまだ認知度は高いとは言えません。

令和4年度に厚生労働省の発表しているの資料では…

「ACP(人生会議)について知っていたか」という質問に対して、「良く知っている」と回答した方の割合は僅か5.9%、「聞いたことはあるがよく知らない」・「知らない」と回答した方の割合は合計すると93.6%という結果が示されています。

令和4年度 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアに関する 意識調査の結果について(報告)」より

このようにデータで見てみても、ACPの認知度はまだまだ低い状況にあるかと考えられます。

「ACPの認知度を何とかして上げることはできないか?」と、そういった課題感が活動の源泉です。