●へき地医療とICUに培われたジェネラリスト
ー急性期治療に自信あり
人生の終末期にその人が思い描く過ごし方を可能な限り叶える姿に感動し、医学部に入学。医学部生のころは離島・へき地医療に進む先輩方の姿に憧れました。卒後はジェネラリストを目指して離島医療に携わり、重症管理を学ぶためにICUや総合診療科で働きました。救急と集中治療は一通り経験したため、急性期治療はほぼ何でも対応できる自信があります。
ー患者本人の希望を叶える提案を
急性期でも在宅医療でも、医学的に正しいかどうか以上に、患者さん本人がどうしたいかをしっかり聞き取ります。ご本人やご家族にただ選択を迫るのではなく、患者さんの希望を叶えるために、医学的な知識をもとに「本人の希望からはこれがお勧めです」と提案したいと思っています。提案がぴったりハマると、すごくやりがいを感じます。
●Q&A
1.おうちの診療所らしいと思ったのは?
他の医療機関や事業所の方とお話すると、ACPを啓発するボードゲーム「エンディングゲーム」や、自治体とのイベントなどでおうちの診療所を知ってくれている方が多いこと。診療以外のところでも地域とつながって、医療全体の底上げができている感覚があり、それがおうちの診療所の特徴かなと思っています。
2.在宅医として心がけていることはありますか?
医師が意思決定するのではなく、意思決定を「支援」するシェアード・ディシジョン・メイキング(SDM)の実践です。「先生にここまで話せて良かった。なんだかスッキリした」と感謝されることが多く、うれしく思っています。
●経歴
琉球大学卒。沖縄県の初期研修後、GENEPROに参加して長崎県五島列島の新上五島町へ。その後、名古屋掖済会病院救急科、東京ベイ・浦安市川医療センターICU、洛和会丸太町病院総合診療科、塩田病院(千葉県勝浦市)総合診療科をへて2024年5~6月にオーストラリアへき地医療学会(ACRRM)のサポートで渡豪。同年7月から現職。