●後進育成から膠原病まで担う内科医
―もともと家庭医志望でした
急性期医療に長らく関わり、若手の医師の育成、診断と治療に注力した医師人生を送ってきました。前職では、研修医や若手の総合診療医/総合内科医の育成、リウマチ膠原病内科での継続的な外来診療、診療の質や患者さんの安全を向上するための業務、総合診療科の立ち上げなどを行ってきました。ただ、もともと家庭医志望だったこともあり、継続的に訪問診療をしてみたい気持ちは以前からありました。
―生活背景と症状は想像以上につながっている
患者さんのご自宅にお伺いし、生活の場の中で医療を行う今、患者さんの暮らしを支える医療の価値を再認識しています。診療だけでなく、ご自宅の環境調整や、医療・介護リソースを使うという視点を持って評価し、生活を整えることからはじめます。家族がきちんと向き合える時間をつくることで、患者さんの病状がよくなったり、納得できる最期を迎えられるということは当然あるでしょう。生活背景と症状は、想像以上につながっていることがよく分かります。患者さんの生活に近いところでの医療に関わる機会を得られて、とてもうれしいです。
●Q&A
1.診療において大事にしていることは?
患者さんのくらしを、患者さんが望む形で医療者として支えることを重視しています。
2.医師を志した理由は?
小さい頃はよくかぜをひき、自宅近くの町のお医者さんにお世話になっていました。コミュニケーションを取りながら医療を通じて人の役に立つことを提供できる医師という職業に関心を持ったのはその頃かもしれません。また、人々の暮らしの中にある医療、地域の人が集まる場づくりにも関心を持っています。
●経歴
東京慈恵会医科大卒。東京都立府中病院にて初期臨床研修、後期臨床研修を修了。2012年東京都立多摩総合医療センター医員(救急診療科、総合内科、リウマチ膠原病科兼務)。2016年同院救急・総合診療センター医長、2018年医療安全対策室室員(兼務)。2024年早稲田大経営管理研究科卒業。2025年4月から現職。
【著書】
「魁!! 診断塾: 東京GIMカンファレンス激闘編」
「診断に上達くなる法 (プロフェッショナルたちからの提言)」
【監修】
「診断エラー学のすすめ」
【翻訳】
「「誤診」はなくせるのか?: 実践知としての診断エラー学の世界」
【監修・翻訳】
「医師として知っておくべき マネジメントとリーダーシップの鉄則 24の訓え」
「医師として知っておくべき 医療の質向上と患者安全の鉄則 35の訓え」
【編集】
「臨床医のための 膠原病・リウマチ疾患と妊娠・授乳ハンドブック」
「専門外でも不安にならない 救急外来「はじめの一手」」
「型で覚える 型で学ぶ プライマリ・ケア医のための超音波(POCUS)」
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