少子高齢化に伴う社会保障費の増大、年金問題、医師の過労死、地域医療の疲弊、粒度は様々ですが100年前に構築された現在の社会保障システムには限界が近づいてきています。ここから先は、地域包括ケアシステムを推進し日本の医療をよりよく効率的に提供しなければならないと考えています。
例えば、僕が今熱意を持って、医師が疲弊している地域で人の2倍ほど臨床医として頑張っても、本当に必要な医療資源が届ききることはなく、地域の医療差は埋まらないでしょう。そこで、経営や政策、さらにはデジタルヘルスやコミュニケーションデザインなど、これまで様々なアプローチで医療課題にぶつかってきました。これからはこれらのアプローチを総合的に駆使し、医療受給バランスの改善に挑みます。すなわち、必要性の低い需要は減らし、可能な限り医療を安価なまま提供できるようにすること、必要な供給は善意や個人の気合いに依存せずに、優秀な人材や医療資源が地域に応じて最適に配置されることを実現していきたいと思っています。
そのためには、医療資源を最適配置して地域医療構想や地域包括ケアを推進するための政策・経営レイヤーのことを理解した現場の臨床家が必要だと考えます。また、臨床家はただ医療を提供するだけの存在では問題が解決しなくなってきているため、私は以下のような取り組みを通じて未来の臨床像を提案します。