「患者さんの暮らしを守る診療所」(連携事業所インタビュー:ハウオリ居宅介護支援事業所 石橋孝士ケアマネジャー)

普段、おうちの診療所に患者さんをご紹介いただいたり、一緒に患者さんの暮らしをサポートする連携事業所のみなさま。今回は、ハウオリ居宅介護支援事業所 石橋孝士ケアマネジャーに、当院の特徴や、特に印象に残っている連携事例のエピソードをお聞きしました。

当院の印象を教えてください。

 おうちの診療所は幅広い症例を診療してくれ、フットワークも軽いと感じています。医師や看護師、事務さんも壁がなく協力的姿勢でお話ししてくれるので、患者さんの相談も気軽にできて連携しやすく、何かとスピーディーに事を進められています。

 私が担当する患者さんは困難事例とされる方も多いですが、そういうケースをあまり大変だと思わない理由の1つに医療連携があります。おうちの診療所に連携いただくことで、心配事が1つ減る感覚です。おうちの診療所でも24時間365日患者さんやご家族から電話を受ける体制をしっかり整えてくれていますし、私も土日や夜間にきた連絡について相談することができます。金曜日になると土日のことが不安で電話をかけてくる患者さんもいますが、おうちの診療所に担当いただいている方の場合はいつでも連絡がつく安心感があるためか、電話が少ない印象があります。

当院との連携で特に記憶に残っている事例はありますか。

 高齢者住宅にお住まいの患者さんのお看取りに関わっていただいたときのことです。ご本人は積極的な医療は望まない方で、高齢者住宅で最期まで過ごすことを望まれていました。ただ、目黒区では当時、高齢者住宅でのお看取りを行ったケースがなかったため、区はお看取りまで行うのは難しいだろうとの見解を示していました。実際、ケアマネの研修会でも多くの人が「ハードルが高い」と言うような症例でした。しかし、医師をはじめとしてサポート体制が整っていることを説明し、ご家族の了承もいただいた上で、最期まで高齢者住宅で過ごすことを目指そうとなりました。

 印象的だったのは「大好きだったお蕎麦屋さんの天ぷらそばを食べたい」という思いを叶えるために連携したことです。当時は点滴しながらの生活でしたが、当事業所でミキサーを用意したり、おうちの診療所から訪問歯科に協力依頼していただいたことで、お蕎麦を食べられました。しっかり医療連携してくれる診療所と組めば、こういう事例もできると、関わっていた全ての事業所が感動し、自信を持てたケースではないでしょうか。おうちの診療所は、患者さんの生活を守ることを大切にしていて、「こうしたい」と話したことを実現しようとしてくれる診療所だと感じます。

 他にも、おうちの診療所の医師や看護師と連携したことで活気が出たり暮らしを取り戻せた患者さんを何度も見てきています。余命2週間と言われた寝たきりの方が、洗濯物を畳めるほどに元気になられたこともありました。様々な事業所が連携してチームでサポートを行い、安心感があれば、どんな状態からでも人は変わる可能性があるのだと実感しましたし、こうしたケースを目の前で見ることができて、私自身も、かかわってくれた他の事業所も、この仕事を続ける上での活力をもらっていると思います。

いつも当院の勉強会にも積極的に参加いただいています。理由があれば教えてください。

 知識は常に向上すべきという思いがあるのが大前提ですが、診療所の勉強会に参加することで、疾患への理解や患者さんの生活を支える上での考え方などについて共通認識を持てるようになると思いますし、その後のスムーズな連携にもつながると思っています。そのため、移動中で画面に顔を出せない状態でも、できるだけ参加するようにしています。

ありがとうございます。最後に、今後も連携していくにあたって、当院に対して伝えたいことがあれば教えてください。

 現状とても頑張っていただいていますし、お互いに健康に留意しながらより発展的な関係を築いていきたいです。2023年には女性の医師も入職され、女性ならではの強みも出せるようになってきていると思います。おうちの診療所には、目黒区だけでなくさらに広い範囲でもナンバーワンの診療所を目指して欲しいですし、私たちの事業所も連携先として恥じない存在となれるよう、今後もしっかりプランニングして関わっていきたいと思います。