適切な栄養摂取は、健康を維持し、病気の予防と治療において重要な役割を果たします。バランスの取れた栄養は、体の成長、修復、日常活動のエネルギー源となります。特定の健康状態や疾患では、栄養摂取のニーズが変化するため、個々の状況に合わせた栄養管理が必要になります。

栄養摂取の基本情報

栄養摂取には、複数の栄養素が関与しています。これには、炭水化物、脂質、タンパク質(エネルギー源としての主要な栄養素)、ビタミン、ミネラル(体の機能を正常に保つために必要な微量栄養素)が含まれます。健康な食生活には、これらの栄養素を適切なバランスで摂取することが必要です。また、十分な水分摂取も、体の機能を維持する上で不可欠です。

低栄養状態

低栄養状態とは、エネルギーまたは一つ以上の必須栄養素が不足している状態をいいます。

低栄養は、マラスムス、クワシオルコル、飢餓状態に分類されます。

💡 低栄養状態の種類

  • マラスムス:エネルギーとタンパク質の重度の欠乏
  • クワシオルコル:タンパク質の重度の欠乏
  • 飢餓状態:最も極端な形態で、必須栄養素の一部または全部の欠乏が長期間続いたときに起こります。

低栄養になる原因には、いくつかの種類があります。

原因
食物の入手手段の欠如飢饉(ききん)、食物を入手できない(運搬手段がない、身体に障害があるなど)、貧困
食べるものの量または種類が制限される状態流行のダイエット法、一部の菜食主義または完全菜食主義の食事、意図的なカロリー制限(厳しい食事量制限、断食など)
栄養素の摂取、代謝、または吸収を妨げる状態エイズ/アルコール依存症/神経性やせ症/がん/うつ病/下痢/薬物乱用/腎不全/精神機能障害( 認知症など)/炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎など)/肝疾患/吸収不良を引き起こす病気/ときに、減量を促すための手術( 肥満外科手術)/嘔吐
栄養素の摂取、代謝、または吸収を妨げる薬不安、高血圧、心不全、 甲状腺機能低下症(甲状腺の活動が不十分になった状態)、喘息、またはがんの治療に使用される薬の一部
必要カロリー量が大幅に増える状態リハビリテーションや高負荷トレーニングなど激しい運動/けが、例えば熱傷(やけど)など/高熱/広範囲または重度の感染症/手術/乳児期、小児期、青年期の成長と発達/甲状腺機能亢進症(甲状腺の活動が過剰になった状態)/妊娠と授乳

自宅での栄養管理

自宅での栄養管理には、健康状態に合わせた食事計画の作成が含まれます。これには、特定の健康問題(糖尿病、心血管疾患、消化器疾患など)に適した食品の選択、食事の頻度と量の調整が必要です。また、食欲不振や嚥下困難など、特定の症状に対応するための工夫も重要です。栄養不足や過剰な栄養摂取を防ぐために、定期的な栄養状態の評価が推奨されます。

栄養摂取の治療と在宅ケア

特定の疾患や健康状態においては、医師や管理栄養士と協力して、個別の栄養治療計画を立てることが重要です。これには、経口栄養補助食品の使用、特殊な食事療法の実施、必要に応じて経管栄養や静脈栄養の提供が含まれます。在宅ケアでは、本人や家族が栄養治療計画を理解し、実行するためのサポートと教育が不可欠です。

栄養摂取とアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の関連性

重篤な病状や老衰末期の患者において、栄養摂取の意思決定はアドバンス・ケア・プランニングの重要な部分です。これには、人工栄養(経管栄養や静脈栄養)の使用に関する本人の希望や価値観の考慮が含まれます。本人と家族が、患者の健康状態や生活の質に最も合った選択をするためには、適切な情報とサポートが必要です。

適切な栄養摂取は、健康維持と疾患管理の基礎です。個々のニーズに合わせた栄養管理によって、本人の生活の質の向上と健康の促進が可能になります。