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  • ACP(アドバンス・ケア・プランニング:Advance Care Planning)とは?

ACP(アドバンス・ケア・プランニング)、別名「人生会議」。医療・介護の領域では、「人生の最終段階における医療・ケアについて、前もって考え、家族や医療・ケアチームなどと 繰り返し話し合い、共有する取り組み」を指します。ただしACPには3つの段階があり、第1段階のACPは年齢や病歴にかかわらず、すべての人が対象となります。

ACPで話し合うことが推奨されている事柄は、いわば人生における重要事項です。人生の最終段階に自分がどうありたいかを考えることは、実は「どう生きていきたいか」を考えることでもあるのです。今はまだ「人生の最期」にピンとこない人も、体験を通して普段はなかなか考える機会がない「自分らしい生き方」について考えてみませんか?

ACPって何からはじめればいいの?

ACP Lab.では、ACPに取り組んでみたいけれど、「人生の最終段階」というデリケートな話題をどこから切り出せばいいか分からないという方、話したり考えるのがこわいという方に、対話のきっかけづくりや、価値観の共有に役立つコンテンツを提供しています。

なぜ価値観の共有が大切なの?

どのような医療・ケアを受けたいか、人生の最終段階に本人の意思を反映させることは、本人の尊厳を守り、本人や周囲の人が「最期まで自分らしい人生を送った」と納得するために重要なポイントです。ACPのような終末期の話し合いを行った人は、行わなかった人に比べて死を受け入れられており、積極的な終末期医療が行われなかったという研究結果があります。積極的な治療を行えば行うほど、家族など介護者から見た患者の生活の質(QOL)は低下。介護者のQOLも低下し、後悔の念を持ったりうつ病になるリスクが高まりました。

「手段」よりも重視される「目的」「価値観」の共有

ACPにおいて最も重要なのは、「呼吸が止まっても人工呼吸器は使わない」「食事が摂れなくなっても胃瘻はつくらない」といった手段を決めておくことではなく、「繰り返し話し合い、共有する」というプロセスです。具体的な手段を示す事前指示は一見明確ですが、状況によって実施されないこともあり、本人の意思を終末期医療に反映し、苦痛を軽減したり、本人や家族の満足度を上げたりする効果はなかったという研究結果があります。そこで、手段よりも本人の価値観や目的を重視するACPが有効だと考えられるようになってきました。手段に落とし込むことは必要ですが、そこに至るまでの本人の思いや価値観を共有しておくことで、本当の意味で意思を反映しやすくなります。