医療系ビジネスを考えよう(イベントレポ)

  1. イベントリポート

今月のSHIPマンスリーイベントは、「医療系ビジネスを考えよう」です。
病院や介護事業所のコンサルタントをしていた経験から、医療機関の現場感やビジネスモデルに詳しいことを強みとしているベンチャーキャピタリスト(VC)であり、SHIPメンバーでもある木村亮介さん(ライフタイムベンチャーズ代表パートナー)が講師を務めてくれました。

まずは医療のスタートアップについて基礎を学びます。

スタートアップとは、「短中期での急成長を目指している組織」のこと。ヘルスケアスタートアップは「難しい」と言われることもありますが、その理由について木村さんは「ヘルスケアは中にいる人も他領域のことが分からないくらい全体像が大きいから」と推察します。

ベンチャーには、デザイナーやビジネスに詳しい人などたくさんの専門家が協業する必要がありますが、ヘルスケア領域に知識がないと専門家たちが途絶しがちです。
ただし、そうした難しさがあることで、ヘルスケアは他領域に比べ1強になりにくかったり、「先にやった者勝ち」でもないという良さもあるそうです。では、どうしたら「成功した」と言えるのでしょうか。

臨床的な効果はさておき、ベンチャーキャピタリスト的に「成功」したといえるヘルスケアのスタートアップは、「投資よりも多くのお金が返ってきた会社/事業」です。
例えば海外では、Fitbitが有名です。また、中国の健康管理アプリ開発子会社「Ping An Good Doctor」は、約900億円を集め、5~6000億円くらいで上場し、今はもっと大きくなっているそう。
日本では、VCが投資してうまくいった事例は、残念ながらあまりないとのことですが、数少ない事例について紹介いただきました。
「ヘルスケアスタートアップのアイデアはどう考える?」という問いには、「アイデアは考えちゃいけない、やりながら気付くもの」という言葉を紹介し、それを裏付けるようなケースをいくつか紹介してくれました。

では現場経験がない医療・介護職ではない人がアイデアに気付くにはどうすればいいのかという問いにも、2つの実例を挙げてヒントを示してくれました。

ちなみに、「見つけたアイデアがイケているかどうかを見極めるコツ」は「ない」とのこと。

将来的に買い手になる人に「使ってもらえますか?」「いくらだったら使ってもらえますか?」と聞いてみるだけでも気づきがあるので、「あまり深く考えずに売りに行ってみるといいかも」とのこと。

とはいえ、もう少しロジカルにしたいなら「何で今これをやろうと思ったのか」、例えば「診療報酬改定で○○の流れがあるから」といったことはヒントになると話してくれました。

この後は、ヘルスケアスタートアップの第1世代、第2世代、第3世代についてや、自らもomnihealを起業し、一般社団法人日本うんこ学会も運営するSHIP代表石井さんの公開相談、質疑応答と続き、最後までオンラインで盛り上がりました。

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